【できるぞ副業!法人設立への道】実際の定款を作っていこう(その2)
前回のおさらい

前回の記事では、「定款」の第2章までを見てみました。
今回の記事では、第3章以降を見ていきます。
定款 第3章 社員総会
第3章は「社員総会」についての規定です。
一般社団法人において「社員総会」とは、株式会社における「株主総会」の役割を果たします。
では、実際の定款を見ていきましょう。
第3章 社員総会
(開催)
第10条 定時社員総会は、毎事業年度の終了後3か月以内に開催し、臨時社員総会は、必要がある場合に開催する。(招集)
第11条 社員総会は、理事の過半数の決定に基づき代表理事が招集する。
2 社員総会の招集通知は、会日より1週間前までに社員に対して発する。(決議の方法)
第12条 社員総会の決議は、法令に別段の定めがある場合を除き、総社員の議決権の過半数を有する社員が出席し、出席した当該社員の議決権の過半数をもって行う。(議決権)
第13条 社員は、次の各号に掲げる個数を合計した議決権を有する。
一 社員 1個
二 社員のうち、理事の地位にある者 1個
三 理事のうち、代表理事の地位にある者 3個(議長)
第14条 社員総会の議長は、代表理事がこれに当たる。代表理事に事故があるときは、当該社員総会において、議長を選出する。(議事録)
第15条 社員総会の議事については、法令の定めるところにより議事録を作成し、議長及び出席理事がこれに署名又は記名押印する。
第10条 開催
第10条は、社員総会の開催に関する規定です。
定時社員総会は、決算報告を承認する必要があるため、事業年度終了後に必ず開催する必要があります。
当法人では、第22条(後述します)において、8月1日から7月31日までを事業年度としているため、9月末日までに定時社員総会を開催するよう規定しています。
また、必要に応じて臨時社員総会を開催できるよう規定しています。
第11条 召集
第11条は、社員総会の招集に関する規定です。
社員総会の招集にあたっては、理事が「社員総会の日時、場所、目的等」を決定し、第2項に定めているように1週間前までに通知しなければなりません。また、理事会を設置していない一般社団法人は、定款で1週間を下回る期間を定めることも可能です。
ただし、書面または電磁的記録の方法による議決権の行使を認める場合は、社員総会の2週間前までに通知を出す必要があります。
第12条 決議の方法
第12条は、決議の方法についての規定です。
社員総会の決議は、議決権の過半数を持つ社員が出席し、出席社員の議決権の過半数が必要です。これを普通決議と言います。
この規程にかかわらず、法令で定める重要事項については、総社員の半数以上であって、議決権の3分の2以上にあたる多数が決議に必要です。これを特別決議と言います。
どちらの決議についても、定款において異なる定めを置くことも可能ですが、必要数を下回る規定は無効となります。
第13条 議決権
第13条は、議決権についての規定です。
この条文については、公証人連合会が出している定款の見本では、次のようになっています。
(議決権)
第13条 社員は、各1個の議決権を有する。
このように、基本的には原則として社員1人につき1個です。
しかし、当法人では代表理事が安定して運営できるように比重を高くして議決権を付与しています。簡単に言うと、法人を乗っ取られる可能性が低くなるようにしています。
第14条 議長
第14条は、社員総会における議長の規定です。
多くの法人では、社員総会の議長は代表理事が行うことが多く見受けられます。ですが、総会の冒頭で社員の中から選出する、など(一般的に)民主的な方法で選出する法人も多く存在します。
個人が主体となっている法人や小規模な法人では前者、民主的な運営を謳っている法人や中・大規模な法人や後者が多いようなイメージがあります。
どちらにしても、議長は総会を司り、議事運営をする能力のある人がなるべきだと思います。
事故ある時の規定は、他の理事、総会で選出などが考えられます。
第15条 議事録
第15条は、社員総会の議事録の作成に関する規定です。
条文にもうたっている通り、一般社団法人は法令に基づき議事録を作成しなければなりません。
ですから、誰が議事録を作成するのか、議事録が真正のものであることを誰が認めるのか(署名等)を規定する必要があります。
議事録への押印等は法令上義務ではありません。しかしながら、対外的に真性性を示すために押印等がなされることが多いです。また、定款で押印等の記載を行った場合は、定款への記載者に押印義務が生じます。
ですから、定款上は記載をせず、実務的に「確認しましたよ」と押印するのでも構わないのではないでしょうか。(それがいいかどうか、対外的に見て信用性があるかどうかは別として。)
定款 第4章 役員
第4章 役員
(役員)
第16条 当法人に、次の役員を置く。
(1)理事 3名以上
2 理事のうち1名を代表理事とする。(選任)
第17条 理事は、社員総会の決議によって社員の中から選任する。ただし、必要があるときは、社員以外の者から選任することを妨げない。
2 理事のうち、理事のいずれかの1名とその配偶者又は3親等以内の親族その他特別の関係にある者の合計数は、理事総数の3分の1を超えてはならない。
3 代表理事は、理事の互選によって定める。なお、社員以外の者から選任した理事は、代表理事となることができない。(任期)
第18条 理事の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。
2 任期の満了前に退任した理事の補欠として選任された理事の任期は、前任者の任期の残存期間と同一とする。(理事の職務及び権限)
第19条 理事は、法令及びこの定款の定めるところにより、その職務を執行する。
2 代表理事は、当法人を代表し、その業務を統括する。(解任)
第20条 理事は、社員総会の決議によって解任することができる。(報酬等)
第21条 理事の報酬、賞与その他の職務執行の対価として当法人から受ける財産上の利益は、社員総会の決議によって定める。
第4章は役員に関する条文です。
役員の役職等の規定や任期、報酬等の内容が記載されています。1つずつ見ていきましょう。
第16条 役員
第16条は、役員の役職と人数に関する規定です。
当法人は、理事会を置かない法人ですので、役員は理事のみとなっています。 1
通常、最小の法人として設立する場合、理事1名で大丈夫なのですが、あえて3名としています。これは、「非営利型一般社団法人」ですよ、ということを明確にするために、このように書いています。非営利型一般社団法人については、一般社団法人法人設立サービス.NETさんの「【Q&A形式でわかりやすく解説】非営利型一般社団法人とは?」にわかりやすく書いてありますので、読んでみてください。
また、第2項では「理事のうち1名を代表理事とする」とあります。この規定がない場合、理事会を設置しない一般社団法人では、理事全員が代表権と業務執行権を保有します。これを1名に限定するための規定です。 2
もし、代表理事の職名として「理事長」としたい場合は、この条文の項に置けばOKかと。私ならこうする、といった内容は次のとおりです。
(役員)
第16条 当法人に、次の役員を置く。
(1)理事 3名以上
2 理事のうち1名を代表理事とし、理事長と称する。
第17条 選任
第17条は、役員の選任に関する規定です。
読んで字の如くです。ここで、但し書きを消した場合は役員全員を社員の中から選ぶ必要があり、社員の中から選出できなかった場合などは、法人として立ち行かなかくなってしまうので、注意しましょう。
社員以外からの役員については、乗っ取り対策として代表理事の選任要件を第3項で規定しています。悪意ある人 3を社員として迎え入れた場合はどうしようもありませんが、一定の抑止力になるのではないかと考えられます。
続く第2項は、第16条でも書いたように、非営利型一般社団法人の要件 4に合致させるための規定です。
第18条 任期
第18条は、役員の任期に関する規定です。
§ 第1項
日本語的にややこしい書き方になっているので、ちょっとわかりにくいかもしれません。私も初見ではさっぱり頭に入ってきませんでした。理事の任期は法令で定められています(法第66条)が、その条文がそのまま記載されています。法律用語ですから、そりゃわかりにくい。
ちょっとずつ見ていきましょう。
まず、「選任後2年以内に終了する事業年度のうち」ということなので、最長でも2年ということになります。
例えば、事業年度が1/1~12/31だとして、理事AがR6年1月1日に選任されたとします。理事の任期の最長は2年後ですので、R7年12月31日になります。選任後「2年以内に終了する事業年度」は、令和7年度となります。
「最終のものに関する定時社員総会」とは、令和7年度の報告に関する定時社員総会を、令和7年度の事業年度終了後(本説明で用いている定款の)第10条に規定する期間内に開催する必要があります。
その定時社員総会の「終結の時」までが任期となります。
法律用語って、全部を一気に見ようとするととてもややこしいですが、少しずつ区切っていくとわかりやすくなりますね。
§ 第2項
さて、第2項では補欠理事の任期に関する規定です。理事の任期は選任後2年なので、例えばR6で選任された理事が任期1年半(R7途中)で辞任してしまった場合、すぐに補欠理事を選任した場合、R7~R8の2年が任期となるため、他の理事と1年ずれることとなります。
継続性を考えてあえて1年ずらす場合 5は別として、他の理事と改選時期をそろえるため、残存期間を理事の任期とする規定を置いています。
第19条 理事の職務及び権限
第19条は、理事の職務及び権限についての規定です。
職務と権限は法令と定款に基づくということ、また、第2項については、法人の代表権と業務執行権が代表理事にあるということを規定しています。
第20条 解任
第20条は、役員の解任に関する規定です。
辞任は「役員が自ら辞める意思を表示して、辞めること」、退任は「役員の任期満了に伴い、辞めること」、そして解任は「役員の意思に関わらず、辞めさせること」です。
第21条 報酬等
第21条は、役員の報酬に関する規定です。
役員の報酬は、社員総会の決議によって決めることができるようにしました。
将来にわたって無報酬であるならば、「理事の報酬は、無報酬とする。」などと記載すればよいと思います。
次回予告

思いのほか長くなってしまいました。
次回は、第5章以降を見ていきます。
では~


